運用成績 | 4/20 | 得点55点 | |
預かり資産 | 20/20 | ||
運用年数 | 17/20 | ||
投資手法 | 6/20 | オススメ度 | |
話題性 | 8/20 | ★★ |
運用期間 | 資産総額 | 騰落率(3ヶ月) | 騰落率(1年) |
12年 | 5,440.01億円 | +0.76 | +2.54 |
評価 |
ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)は、カナダドル建ての公社債等に分散して投資を行っている毎月分配型の投資信託です。
2014年10月現在で、分配金利回りは14%前後となっていますので、高い分配金利回りで運用ができると人気になっている投資信託の一つです。 このファンドは、投資対象の格付けをAA(ダブルエー)以上としており、信用力を重視ししながらも最高格付け銘柄のみで運用を行うわけではないのが特徴的です。 保有した銘柄のなかでAAを下回ってきてしまった場合でも、運用面の判断で保有を続けることもできるように設定されているため(最高で10%程度まで)、格付けの高さを重視するなら注意が必要です。 最近のレポートを見る限り、最高格付けであるAAA(トリプルエー)とAAは約半分ずつの組み入れとなっています。AAの組み入れは決して小さくありませんので、よく理解してください。 保有銘柄の債券は、償還まで平均で6年程となっています。ファンド全体と比較すると、短くも長くもないといったところです。 カナダドルで運用することと、格付けを少し落とすことで利回りを上げようとしている他は、あまり特徴がないとも言えそうです。 このファンドを具体的に検討していく際に注意が必要なのは、格付けだけではありません。 やはり、カナダドルについてよく知らないといけないでしょう。 カナダドルは資源国通貨の一つだと言われています。 カリ鉱石という資源が世界で約27%のシェアを持っており、世界第1位の輸出国として有名です。 その他にもチタン鉱石、ニッケル、プラチナで世界トップ5に入っています。 天然資源の輸出国は、独占した市場を持っているようで何だか安心感があるとおっしゃる投資家が多いのですが、ここにこのファンドを検討する上で大きな落とし穴が存在します。 確かに天然資源をもっている国は、持っていない国に比べてその点で有利ですが、それは投資家に取って当たり前の常識です。 実際には、それを考慮に入れてカナダドルは既に値動きをしていますし、逆に天然資源の輸出に依存した経済構造なってしまっており、、カナダのGDPの約3割を占めていますので、弱点にもなり得るポイントです。 また、限りのある貴重な天然資源ですが、値段の上下が非常に大きいという側面を持つことをご存知ですか? 世界経済の動向によって、物の生産は変わってくるので、自国の経済動向だけでなく世界経済全体の動きに左右されてしまうことが資源国通貨の強みであり、弱みです。 つまり、他の国の通貨に比べて不透明要因が大きく、一般的にはリスクの大きい通貨だと思われています。 ただ単純に資源があるから安心だとする考えで投資を行おうとするのは、完全に間違った考え方であり、資源を買ってくれる国の存在をしっかり考えていかないと失敗の元になってしまいます。 このことから、ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)は、一極集中的に持つようなファンドではなく、分散の一部と考えるべきであり、もし世界経済に変化があった場合は大きな損失を被ることになることを覚悟しなければなりません。 高い分配金利回りで初心者を取り込むのに、分かり易い商品設定をするファンドが多くありますが、商品説明が過度に魅力の方に傾いてしまっており、勘違いされる投資家が多くいます。 投資においては、メリットとデメリットは表裏一体です。 投資をする人は何かに期待をして投資をしますが、裏切られてしまえば手のひらを反して逃げていきます。 正しいリスクの取り方をしなければ、分配金を毎月もらっていても何の意味もなくなってしまうことを経験された投資家も多いことでしょう。 あまり投資に一般的でない国の商品を見つけたら、気を付けて内容を確認しなければなりません。 |