運用成績 | 5/20 | 得点57点 | |
預かり資産 | 20/20 | ||
運用年数 | 15/20 | ||
投資手法 | 7/20 | オススメ度 | |
話題性 | 10/20 | ★★★★ |
運用期間 | 資産総額 | 騰落率(3ヶ月) | 騰落率(1年) |
9年 | 7,736.16億円 | -0.45 | 29.33 |
評価 |
ラサール・グローバルREITファンドは、今最も人気のある毎月分配型投資信託の一つです。
このファンドは、世界のREITに投資をしており、その分配金利回りは、2014年10月現在18%を超えています。 この水準は投資信託のトップ水準に位置していることから、積み上がった投資信託の純資産額合計は、1兆円を越えています。 1兆円を越える投資信託はそう多くはありませんから、日本有数の人気を誇る投資信託と言えます。 REITと聞くと少し特殊なもののようなイメージを持たれるかもしれませんが、簡単に言うと不動産の共同オーナーのような仕組みです。 集まった資金を元手に不動産を持ち、そこにテナントを入れたり、人を入れたりして賃料収入を得ながら不動産価格の上昇まで視野に入れた運用を行っていき、信託財産の増加を図っていくのがRIETです。 ラサール・グローバルREITファンドは、世界各国のREIT市場にアンテナを張り、より良いものを求めて運用していくので、分散が図れているということから安心感があるとの評価もされて人気になっている側面を持ちます。 利回りが良く、世界分散されていて、実績のあるファンドとの評価から人気になるのは、納得のいくところでしょう。しかし、実は多くの問題点も隠されていることを多くの投資家は理解していないことを危惧しています。 まず、世界各国のRIETに分散されているとの謳い文句ですが、内情は大きく違っています。 実はREITの世界市場のシェアはアメリカが飛び抜けていることから、このファンドの内訳も大きくアメリカに傾いてしまっているのです。 その組み入れ率はファンド全体の何と約55%です。 次いでオーストラリアが続きますが、その割合は大きく離されて約10%にまで落ち込みます。そしてフランス、日本、イギリス、オーストラリアと、段々占める割合を落としながら国別の構成は成り立っています。 これは、RIETを一つの市場として世界全体で捉えた場合に、アメリカが圧倒的なシェアを持っているので、このファンドでも同じような割合になるのですが、非常に怖い側面を持ちます。 アメリカの経済情勢の影響を大きく受け過ぎてしまって、たとえ世界全体の住宅市場が大きく動いていなかったとしても、アメリカの動向次第ではこのファンドの基準価格は大きく変動してしまうことが想定されます。 それを証明する事実が次に挙げる問題に色濃く出ています。それは、基準価格の変動率が高過ぎることです。アメリカのシェアが大きいとお話しましたが、アメリカの住宅債権ローン問題から発展していったリーマンショック時に、これが問題となってこのファンドは、基準価格が何と1/6にまで減少しています。 毎月分配型投資信託として安定的に運用できるものとイメージで考えていた投資家は、非常に慌てていましたが昨今の回復基調を鑑み、再度分配金利回りに注目が集まっていることを考えると、またリスクを理解していない初心者投資家の資金を集めている気がしてなりません。 過度な利回りにはやはり裏があると考えるのが賢い考え方ですし、実際無理をして高利回りを実現させていることはプロがみれば一目瞭然です。 このファンドの買い付けを考える時は、元本の大幅な変動があることを覚悟して決めるべきでしょう。またそれに耐えうる資金で投資を行わなければ、大幅な急落があった際に、大きな元本の欠損が生じている状態で、売却を迫られることが出てきてしまうので、注意が必要です。 |